ひとりよりふたりXXX(ちょいエロ?)



薄い暗闇に二人分の熱い息づかいが交差する。
どさり、と身体をベッドに預ける音がした。
果たして何十分、それとも何時間一体こんなことをしているのか。
精も魂も尽き果てた、と思えるくらいだるい身体を投げ出して、宍戸は息を整えようとする。
それでも、まだ鳳はその身体を引き寄せようとした。
「…お前、ホントしつけえ…」
まだ息が上がったまま、少しかすれたような声でつぶやくと、半分宍戸の身体にのしかかり、ベッドに半分伏せている身体を押し返した。
元はといえば、鳳が仕事の関係で3週間ほど出張に行っていた。
現地からも毎日のように電話をしてきていた。
そして、やっと今日帰ってきたと思ったら、荷物をかたすでもなく、食事をとるでもなく、ドアを開けて、玄関にキャリーバッグを置いて、そのあと――
バカだろ…マジで。
とはいえ。
決してイヤだったわけでも、やめてほしかったわけでもない。
こんな行為がいやだったり、この男が嫌いなら、3回もつきあったりしない。
自分だって今日は一日仕事だったのだ。
それに宍戸にとっても久々だったのには変わりはない。
それでも、立て続けに3回もとなると、頭がただれそうだ。
やっと落ち着いてきた息をふっと吐き、シーツにくるまると背を向けた。
「やっぱ、お前とすんのが一番いい」
特に意味があったわけでもない。
何となくでた言葉だった。
しかし、勿論この男が聞き逃すはずもなく。
「…え」
少し上半身を起こして、背を向けてシーツにくるまる恋人を伺う。
「え?何、今何て言ったの?ねぇ宍戸さん!どういう意味?俺とって、別の人とやったの?俺がいないときに?まさかホントに浮気?ねぇ!」
あぁ…俺はだるいし、眠いんだよ。
「ねぇ!今のどういう意味なの?誰と比べてるの?」
涙声になる鳳の声を背中越しに聞きながら、目を閉じたまま宍戸は黙っていた。
何が浮気だバカ野郎。
そんな暇あると思ってるのか。
どんだけ信用ないんだよ、俺は。
心に次々言葉は浮かぶが外に出す気力がない。
そのまま眠りに入ってしまおうと意識を閉じようとする。
「宍戸さんてば!!」
鳳が肩を掴んで揺さぶってきた。
このまま寝ちまって、明日になったら忘れるかと思ったけど…ダメか。
しかし、お前元気だよな。
「宍戸さん!寝ないで!ちょっと!」
「お前うるさい」
ようやくシーツから顔を出し、鳳の方を向いた。
「ひどい…」
「お前がくだらねーこと言ってるからだろうが」
先ほどまでの甘く激しい時間が嘘のような痴話げんか。
「一人でやるより、って意味だろ。わかれよバカ」
それだけ言うと、また背を向けてしまった。
「え…」
「……」
「宍戸さん、俺がいない間一人でしたの」
「して悪いか」
「……えへへ」
「…想像すんな、キモイ」
後ろを向いたまま、宍戸はひじを鳳の腹辺りに沈めた。
ぐえ!という声が聞こえる。
あーこれじゃ朝になっても、忘れるどころかニヤニヤされるだけじゃねーか。
ちょっと言った自分の一言で悲しんだり、喜んだり、ホントこいつはアホだなーと思いながら、宍戸もちょっとだけ笑って眠りについた。
この顔は見られなくてよかったと思いながら。

end